三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)で最も摂取することが重要視されるのがタンパク質です。
骨や筋肉の素になるタンパク質はダイエット中でカロリー制限をしている中でもしっかりと摂取したい栄養素です。
ローカーボダイエット(低炭水化物)、ローファットダイエット(低脂質)はありますが、
ロープロテインダイエット(低タンパク質)は聞いたことがありません。
現在はサラダチキンやプロテインドリンク、プロテインバーなどタンパク質含有量が多い食品も
コンビニに並ぶことが当たり前となりました。
体重あたり1グラムは摂ろう、いいや2グラム3グラムほど摂るべきだ、
そんなにタンパク質を摂ってしまうと腸内環境の悪化、内臓疲労を起こすので、
過剰摂取は控えるべきだなどなど色々なことが言われています。
結論から申し上げますと、正確はことは分かっていません。
タンパク質の消化が上手に出来る方もいれば、そうではない方もいるので、個人差が出てくるのです。
今回は一つの参考程度に色々な方のタンパク質の摂取量についての意見を書いて行きます。
厚生労働省によるタンパク質摂取量の目安
厚生労働省が発表する日本人の食事摂取基準では、一日のタンパク質摂取量は成人男性は50グラム、
成人女性は40グラムとされています。
運動量によってタンパク質の必要量は変わります。
運動量 | 体重1キロ当たり 必要タンパク質量 |
運動量の少ない方 日常生活で駅まで歩く、家事をする程度の方 |
0.8~1.1グラム |
運動量が普通の方 日常生活に加えて 軽いエクササイズなどを行う方 |
1.2~1.4グラム |
運動量が多い方 肉体労働やジムなどに通って 高い運動強度で運動する方 |
1.6~1.7グラム |
やはり、運動量の多い方はタンパク質も多く必要となります。
普通の人であれば、体重当たり1グラムくらいで充分でしょう。
更に、筋肉を増やしたいという方にはタンパク質の摂取量を増やすことが勧められています。
トレーニングを行っている方には体重当たり2グラムほどは摂取しましょう。
これが現在言われている常識的なタンパク質の摂取量の目安です。
体のタンパク質のサイクル
体内ではタンパク質の分解、合成が行われています。
70㎏くらいの体の方であれば、1日あたり250グラムほど分解、合成されているようです。
体内でタンパク質は分解されてアミノ酸に変化します。そのアミノ酸が再び合成されてタンパク質になることがあります。
再び合成されたタンパク質は元通りのタンパク質にはならずに、水酸化や糖化といって劣化した状態になります。
タンパク質の品質は当然悪くなっています。
70㎏の体で250グラム/日に分解、合成されるタンパク質の内の80%に当たる200グラムは再合成される
タンパク質で残りの50グラムは食事から摂取するということが厚生労働省の食事摂取基準の考え方です。
タンパク質の過剰摂取による体への害は?
摂取したタンパク質はアミノ酸に分解されてなったり、タンパク質に再合成されることが一つ、
尿素になってご小水ともに体外に排泄されることが一つ、脂肪酸や糖新生に利用されることがあります。
どのような形であれ、タンパク質が利用される場合には肝臓や腎臓が働きます。
タンパク質の過剰摂取には肝臓や腎臓への悪影響があることが懸念されています。
とある研究では体重1㎏あたり4.4グラムのタンパク質の摂取を続ける実験がありました。
その結果は肝臓や腎臓、その他にも問題は起きていなかったそうです。
元々、肝臓や腎臓に病気を抱えている人以外はタンパク質をかなり大量に摂取しても大丈夫なようです。
タンパク質の1日、1回当たりの摂取量は?
筋肉を付ける目的でタンパク質を摂取する場合には体重1㎏あたり2.8グラムが上限と研究の結果が出ています。
体重1㎏あたり2.2グラムタンパク質を摂取したグループ、体重1㎏あたり2.8グラムタンパク質を摂取したグループ、
体重1㎏あたり3.4グラムタンパク質を摂取したグループで比べて場合、2.8グラムのグループと3.4グラムのグループでは
全く差が無かったようです。その他の健康目的ではもっと多くのタンパク質が必要かもしれません。
70㎏の体でれば、一日あたり合成、分解されるタンパク質250グラム、このタンパク質は質の高いものが良いので、
一日あたりに合成、分解されるタンパク質250グラムを摂ってしまった方がよいということを言う方もいます。
タンパク質(プロテイン)に限らずですが、サプリメント(栄養)にはある程度の量を摂取したところから
効果が現れてきます。効果が現れない量を摂取しても当然のことながら、効果は出て来ません。
タンパク質は最低でも1回あたり10グラムは摂取しましょう。
※プロテインで摂取する場合にはタンパク質含有量が低いものもありますので、
タンパク質をしっかりと10グラム摂取してください。
40歳以下の方であれば、一回20グラムあたり、40歳以上であれば、一回40グラムあたり
摂取するとタンパク質の最大の効果を得ることが出来ます。
まとめ
タンパク質の摂取量は筋肉量増加が目的か健康目的か日々の活動量、年齢などによって変わります。
大量にタンパク質を摂ってもあまり悪影響を及ぼすことは少ないようですが、
これも個人差がありますので、タンパク質摂取量を増やして体調に異常を感じたら無理をしないでください。