ひと昔前のダイエットと言えば、肉の脂身、揚げ物など3大栄養素の中で
最もカロリーの高い脂質の摂取量を落として1日の総摂取カロリーを減らす低脂質ダイエットが一般的でした。
現在のダイエットの主流は米、麦、甘いものなど多く含まれる炭水化物(糖質)を制限する低糖質ダイエットです。
そして、昔はカロリーが高く太る原因とされていた脂質ですが、
研究が進められて体に悪いものではないということが分かってきています。
※現在、太る原因としてやり玉に挙げられる炭水化物(糖質)も適度に摂取すれば太ることもなく何の問題もありません。
脂質を然りで適度に摂取すべきものです。脂質なら太らないと過剰摂取をしてはなりません。
要は食事はバランスが大切なのです。
今回は脂質について掘り下げて書いていきます。
脂質の種類
脂質は5種類に分けることが出来ます。
1、脂肪酸
効率よく体を動かすエネルギー源となる脂質です。
2、中性脂肪
体に貯蔵されている体脂肪です。中性脂肪は簡単に使うことが出来ません。
3、コレステロール
テストストロンなど性ホルモンの材料なる脂質です。
4、リン脂質
グリセリン、脂肪酸、リン酸の化合物です。
細胞膜を作る成分で体内で脂肪が貯蔵される際にタンパク質と結び付ける役割があります。
情報伝達にも関わっています。
5、糖脂質
グリセリン、脂肪酸、糖の化合物です。
細胞膜を安定させること、別の細胞と結合して組織を形成することに役立っています。
不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸
1の脂肪酸は更に細かく不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸と2種類に分かれます。
飽和脂肪酸は常温では個体であって動物性の食品に多く含まれます。
人間の体内で合成することのできる脂肪酸です。
不飽和脂肪酸は常温では液体であって魚介類や植物性の食品に多く含まれます。
体内で合成できる不飽和脂肪酸は単価不飽和脂肪酸(オメガ9)と言われています。
それともう一種、多価不飽和脂肪酸(オメガ3、6)と言われていて体内で合成することが
出来ないために食事やサプリメントから摂取する必要があります。
飽和脂肪酸
一般的に動物性食品から摂りやすい飽和脂肪酸は日常で足りていることが多く、
体内に貯蔵しやすいということから体に良くない脂質とされていることが多いです。
体内に貯蔵しやすいということは言い換えればエネルギーとして貯めておけるということです。
単価不飽和脂肪酸
単価不飽和脂肪酸は循環器系疾患のリスクの低下や悪玉コレステロールを抑制するメリットがあります。
デメリットはエネルギーとして使われづらいこととアレルギーの原因になっているのではないかという研究もあることです。
多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールの抑制、動脈硬化や脳の改善、脂質の代謝を活発にすることメリットがあります。
摂取量が多すぎると中性脂肪と体内に蓄えられてしまいますので、摂取量には気を付けましょう。
飽和脂肪酸も不飽和脂肪酸も過剰に摂取することが無く適度な摂取量であれば体に悪いことはありません。
体に悪いと言われる脂質
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸は元々常温で液体である油に水素添加をして半固体状にした油のことです。
代表的なトランス脂肪酸の油はマーガリンやショートニングです。
このトランス脂肪酸は摂取量が多いと動脈硬化の原因になったりアレルギーの原因なることがあります。
過酸化脂質
魚の油に多く含まれる不飽和脂肪酸は体に良いイメージがありますが、
その不飽和脂肪酸は酸化、劣化しやすい油の一つでもあります。
過酸化脂質は大量に摂取してしまうと腸管組織を傷付けて
下痢などの不調を引き起こすほど毒性が強いものです。
その他にも過酸化脂質には動脈硬化の原因になったり、認知症発症の恐れがあることなど
大変危険な脂質の一つです。
やはり、脂質も摂取するバランスが大切です!
脂質だけに限らずに食事は3大栄養素のバランス、5大栄養素、食物繊維などバランスが大切です。
厚生労働省のガイドラインによると脂質は1日の総摂取カロリーの20~30%ほどとオススメされています。
その内、飽和脂肪酸から摂取するカロリーは1日の総摂取カロリーの7%未満とされています。
成人男性の場合には1日の多価不飽和脂肪酸の摂取量オメガ6は11g、オメガ3は2gとされています。
理想的な脂質の割合は飽和脂肪酸3、単価不飽和脂肪酸4、多価不飽和脂肪酸3です。
多価不飽和脂肪酸は中々食事から摂取しづらい油ですので、食事やサプリメントでしっかりと補いましょう。
まとめ
動物性の食品に多く含まれている飽和脂肪酸も摂取量を考えて摂取すれば体に悪いことも肥満の原因になることもありません。
最近は低糖質でダイエットを行う方が多いのです。プロテインドリンクやサラダチキンでタンパク質の充分な摂取と
炭水化物や甘いものをしっかりと制限することまで気を付ける方が多いのですが、脂質の充分な摂取をしていない方が多いです。
脂質の充分な摂取をしてこそ低糖質ダイエットは成果が出るものです。
脂質もダイエットの状況に応じてしっかりと適量摂取しましょう。