いつごろから言われだしたのか分かりませんが、「夜に食べると太る」というを
聞いたことがあると思います。食べ物のカロリーが朝と夜で変わるわけでないのに、
なぜ夜に食べると太るのか、果たしてこの事自体本当なのか、私は疑問を抱かずには
いられませんでした。
今回のコラムではこの夜に食べると太るのか朝に食べれば太らないのかということに
ついて書かせていただきたいと思います。
夜に食べると太るという根拠
BMAL1(ビーマルワン)の影響
このBMAL1というものは細胞内に存在するタンパク質で体内時計を整える役割があります。
脂肪細胞の中に含まれていまして、脂肪の合成を促したり脂肪の分解を抑制する効果があります。
BMAL1が活発に働く時間ほど体に脂肪をため込みやすくなっています。
このBMAL1の分泌が少ないのは午後2時ごろで分泌が多い時間は深夜2時ごろと言われています。
これが夜に食べると太りやすいのでないかという根拠のひとつです。
BMAL1に対しての対処法
このBMAL1は体内時計ですので、簡単に変わるものではありません。
やはりBMAL1の分泌量が増える夜の時間帯に食べ過ぎに注意することが
最もシンプルながら効果的です。
その他にも1日の生活リズムを正しく過ごすこと、特に朝食を食べることが大切なようです。
夜はBMAL1の働きで体が蓄積モードになっています。
朝は体内時計がリセットされて体が蓄積モードから消費モードに切り替わっていきます。
朝食は体のスイッチを入れ替える重要な役割もあります。朝食は食べるようにしましょう。
お昼はBMAL1の分泌が少なく、活動量も多い時間帯であることが多いために、
比較的高カロリーを摂取しても大丈夫でしょう。
BMAL1はそんなに影響しないという否定的な意見
BMAL1は体脂肪にはあまり関係なく、肝臓の脂肪を増やしまうことがあるようです。
体にグリコーゲンが過剰になる
摂取した糖質はグリコーゲンとなり、筋肉、肝臓や血液中に蓄えられます。
グリコーゲンは運動などによって消費されますが、過剰に余ったグリコーゲンは
体脂肪として体内に蓄えられてしまいます。
朝と昼に普通に糖質も充分に食事を摂っていれば体内にグリコーゲンはあります。
この状態で夜ご飯に糖質も摂ってしまうとグリコーゲンは体に過剰に余ってしまいます。
それが体脂肪として蓄えられてしまいます。
グリコーゲンが過剰になることへの対処法
日中や夜に活動量が多ければ、グリコーゲンはエネルギー源として使用されます。
体にグリコーゲンが残っていない状態ならば夜に普通に食事を摂ったとしても
筋肉などのグリコーゲンの回復に使われるので、体脂肪にはなりづらいでしょう。
ただ、ダイエットを気にするのであれば、カロリーオーバーに気を付けましょう。
食事誘発性熱産生（DIT）が低くなる
消費カロリーの1日の割合は心臓を動かすなど生命維持に必要な基礎代謝が60~70%ほど、
運動などの生活活動代謝が20~30%ほど、食べ物の消化吸収にかかる食事誘発性熱産生が10％ほど
と言われています。
食事誘発性熱産生は消費カロリー全体の10%ほどですが、塵も積もれば山となるで10%なら関係ないと侮らないでください。
この食事誘発性熱産生は夜になると低くなるなります。これも夜遅く食べると太ると言われている原因です。
食事誘発性熱産生が低くなることへの対処法
どうしても食事の時間が夜遅くなる場合には間食を摂って、
夜遅くには温かく消化の良いものを食べるとよいとされています。
夜に食べると太るということが無いという意見
今までは夜遅くに食べるということをある程度、肯定する内容でしたが、
夜に食べると太るということを真っ向から否定する意見をあります。
太るのに時間は関係なく、摂取カロリーが多すぎるというそもそもの問題がある場合が多いです。
例えば1日3,000kcalでカロリーオーバーの状態だとします。
朝に3,000kcalを摂取しても、夜に3,000kcalを摂取しても、朝昼晩の3食で1,000kcalずつを摂取しても
太るスピードは大して変わらないらしいです。
いつ食べるかではなく、1日でどれくらいカロリーを摂っているかということが重要だという考えです。
結論として現時点でははっきり分かっていませんが、朝と昼にカロリーオーバーになるまで食べても
夜だけ我慢すれば太らないと考えるのは違うと思います。体は1食や1日程度でそこまで大きく変わるものではありません。
朝と昼に食事をしっかりと摂るという方はそれだけでかなりのカロリーを摂取している場合もあります。
そのような方は夜には摂取カロリーを減らして、1日トータルでカロリーオーバーにならないように気を付けましょう。
朝は食べないという方は夜はしっかりと食べて栄養を充分に摂取する必要があるでしょう。
いつもと同じにはなりますが、「継続は力なり」ダイエット＆ボディメイクではそれが最も重要になります。
ダイエットの基本、消費カロリーを摂取カロリーよりも多く、カロリーオーバーにならないように
注意しながら必要な栄養を摂取すること、適度な運動をすることです。
