3大栄養素(タンパク質1g 4kcal、脂質1g 9kcal、炭水化物1g 4kcal)の中で最もカロリーの高い脂質。
随分と前には食の欧米化で肉の脂やバターなどの脂質の摂取量が増えたことが日本人の肥満の原因だとする声が多かったです。
確かにタンパク質と炭水化物の摂取量が同じで脂質の摂取量が増えれば、当然カロリーオーバーになります。
近年は低炭水化物ダイエット、ケトジェニックダイエットが流行していることにより、
脂質が肥満の原因であるという声は減って来ているかと感じています。
脂質の研究が進んで、脂質は体内ホルモンの材料になったり細胞膜の形成に必要になることが分かりました。
脂肪燃焼には成長ホルモンやアドレナリンなどの体内ホルモンの働きが必要になりますので、
肥満の最たる原因は炭水化物(糖質)だという考える方が増えました。
私個人的には低糖質でも低脂質でもダイエットに有効である理論はありますので、
絶対に低糖質だ、低脂質だと決めることなく自分の体に合う方法でダイエットをしていくことをオススメいたします。
低炭水化物ダイエットの場合
低炭水化物ダイエットにはタンパク質を体重1㎏あたり2g、炭水化物を1日総摂取カロリーの20%以下や20g以下にして
残りの必要なカロリーを脂質で摂取していきます。かなりの量の脂質を摂取しなければなりません。
低炭水化物ダイエットに挑戦している方はやみくもに脂質を摂取していませんか?
脂質でも摂取しても問題ない脂質もあれば、出来れば避けた方がいい脂質もあります。
避けるべき脂質
過酸化脂質
油は熱、酸素、光、水、金属などの影響を受けると段々と劣化していきます。
この劣化すること油の酸化と言います。酸化した油のことを過酸化脂質と名付けられています。
過酸化脂質は簡単に説明してしまえば腐った油です。
揚げ物ですが、カロリーが高いという理由だけでダイエットや健康を考えるなら避けた方が良いというのみではなくて、
揚げ物に使われる油は長時間高温で熱せられている可能性が高いです。腐った油、過酸化脂質で調理していることもあり得ます。
新鮮な油で揚げられていても調理されてから長い時間が経過しているお惣菜などは油が過酸化脂質になっていることもあります。
揚げ物、お弁当、ポテトチップスなど揚げて作られているお菓子、インスタントラーメンなどには注意が必要です。
過酸化脂質の悪影響
1、肝臓に大きな負担が掛かる。
過酸化脂質を分解できる唯一の臓器は肝臓です。過酸化脂質の摂取量が多いと、当然肝臓に負担が掛かります。
肝機能障害や脂肪肝の原因にもなります。
2、動脈硬化を引き起こすかもしれない。
コレステロールは脂肪の1種類で体内ホルモンの材料になったりしています。
このコレステロールも酸化していきます。酸化コレステロールと呼ばれています。
酸化コレステロールは血管に悪く、動脈硬化の原因にもなります。
トランス脂肪酸
常温では液体の油(サラダ油、魚油など)から、半固体か固定の油脂を製造する加工技術があります。
この加工技術の一つに水素添加というものがあります。加工技術によって作られた人口的な油がトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸は脂の構造がプラスチックによく似ています。
マーガリンは人工的に加工された脂でトランス脂肪酸の代表的な食品だと思います。
マーガリンが出来たときには、動物性の脂肪が体に悪いと考えられていて、
植物性の油を加工して作られたマーガリンは体に良いとされていました。
しかし、近年ではマーガリンなどトランス脂肪酸は体に良くなく、トランス脂肪酸の使用を禁止する国や
使用量の表示を義務付けている国も多いです。
マーガリンの他に有名なトランス脂肪酸はショートニングです。
マーガリンやショートニングはお菓子や菓子パンに含まれていることが多く、注意が必要です。
トランス脂肪酸の悪影響
善玉コレステロールを減らして悪玉コレステロールを増やして動脈硬化や冠動脈性心疾患のリスクを高めます。
脂質は敵ではない!
過酸化脂質、トランス脂肪酸は避けるべき油ですが、油脂のカロリーが高いからといって全く摂らないということは
体内ホルモンも作られずに体がスムーズに働いてくれません。必要量をしっかりと摂取しましょう。
オリーブオイル、ごま油、魚の油、ナッツなどの油は常温でも固まらずに不飽和脂肪酸と言われています。
不飽和脂肪酸は血液をサラサラにしたりすることなど体に良いとされていますが、それは新鮮な不飽和脂肪酸の場合です。
不飽和脂肪酸は劣化しやすく過酸化脂質になりやすいです。
ラードやバターなど動物性の脂は常温で個体、半固体であって飽和脂肪酸と呼ばれています。
血液をドロドロにして動脈硬化の原因にもなると昔は言われていましたが、
動脈硬化などの原因になりやすい油脂は過酸化脂質やトランス脂肪酸ということが分かりはじめました。
その内に飽和脂肪酸は体にそんなに悪くないものという風に変わっていくかもしれません。
飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸と違い、酸化しづらいというメリットもあります。
まとめ
油脂は適量必ず摂取して体内ホルモンなど体がスムーズに働くようにしましょう。
新鮮な油脂、加工されていない油脂を選んで摂取しましょう。
過酸化脂質、トランス脂肪酸は出来る限り避けてください。