タンパク質は筋肉や骨、内臓などの材料になり体に必要不可欠な栄養の一つです。
トレーニングをしていない方でも体重1㎏あたり1gほどのタンパク質摂取、
トレーニングをしている方や筋肉を増やしたい方や体重1㎏あたり2~3gほど摂取を勧められています。
ダイエットを考える方でも体重1㎏あたり2gの摂取を勧めているインストラクターや教科書が多いです。
炭水化物を抑えてダイエット、脂質を抑えてダイエットはありますが、タンパク質の摂取量を抑えてダイエットというのは
聞いたことがないかと思います。※元々過剰にタンパク質を摂取していた場合を除く。
しかし、どんな栄養、タンパク質でも摂りすぎれば何かしら体に悪影響が出てくることもあります。
今回はタンパク質の過剰摂取などについて書いて行きます。
タンパク質の過剰摂取の悪影響その1 肝臓、腎臓に良くない
タンパク質は体内で合成や分解を繰り返します。その中で過剰に摂取した分のタンパク質は分解されていくつかの過程を経て
体の外に排出されます。この時に肝臓、腎臓の働きが必要になります。
体の中で不要となった窒素はアンモニアに変化します。アンモニアは体に有害なものなので肝臓で尿素に変化して
腎臓で尿として体の外に排出されます。
タンパク質の過剰摂取はその分多くの窒素を尿に変換しなければならないので肝臓、腎臓に掛かる負担は大きくなります。
内臓疲労の原因になります。
タンパク質の過剰摂取が特に危ないのは糖尿病と腎臓病の方です。
糖尿病でほとんど腎臓は悪くなければタンパク質はそこまで問題にならないそうです。
しかしながら、糖尿病の方には慢性腎疾患を抱えている方が多いです。
糖尿病から糖尿病性腎症というものに繋がっていくことがあります。
この糖尿病、腎臓病、糖尿病腎症にまでなってしまった方がタンパク質の過剰摂取をしてしまうと
タンパク質⇒窒素⇒アンモニア⇒尿素のサイクルで腎臓の負担が高まり、腎症の進行を早めてしまいます。
糖尿病、腎臓病、糖尿病腎症の方はタンパク質摂取に充分お気を付けください。
タンパク質の分不足したカロリーは炭水化物、脂質で補いましょう。
タンパク質の過剰摂取の悪影響 その2 尿路結石の可能性
尿路結石の原因のひとつには動物性タンパク質の摂りすぎがあります。
動物性タンパク質は摂取すると体内でシュウ酸や尿酸などの物質が増加してしまいます。
シュウ酸はカルシウムと結合しやすい性質を持っています。
通常ですと、腸でカルシウムと結びつき便として体の外に排出されていきます。
タンパク質を摂りすぎるとシュウ酸が多く発生して腸でカルシウムと結びつき排出しきれなくなり、
余ったシュウ酸は尿として体の外に排出されていきます。
シュウ酸が尿に含まれるカルシウムと結びついてしまうと、石のように塊になって排出しづらくなり
尿管を詰まらせる原因となります。
タンパク質の過剰摂取の悪影響 その3 腸内環境の悪化
腸には善玉菌、悪玉菌、日和見菌と3種類の腸内細菌があります。悪玉菌が増えていくと腸内環境が悪いとされています。
動物性タンパク質を過剰に摂取すると体に吸収されなかったタンパク質がそのまま腸内に行ってしまいます。
腸内に届いてしまったタンパク質は悪玉菌のエサになってしまい腸内環境が悪化していきます。
腸内環境の悪化は腸の運動が鈍くなり、食中毒菌や病原菌による感染、発がん性を持つ危険な物質が多く作られることなど
体に悪い影響がたくさんあります。
タンパク質の過剰摂取の悪影響 その4 カロリーの摂りすぎ
タンパク質を多く含む肉、卵、魚、大豆などは脂質も多く含まれている食材も多いです。
タンパク質をたくさん摂取しようと牛カルビ、鶏もも肉、豚バラ肉、卵など脂質の高いものを選択して
食べすぎると当然カロリーオーバーになります。
体も大きくしたい場合には良いですが、ダイエットの場合には脂質の多い食品にも気を付けましょう。
皮を取った鶏むね肉、ささみ、牛モモ肉など低脂肪高タンパク質な食材を食べると良いでしょう。
極端な低糖質ダイエットをする場合には脂質はしっかりと摂りましょう。
まとめ
近年のダイエットではタンパク質の積極的な摂取を勧められていますが、過剰なタンパク質の摂取には気を付けましょう。
とある研究では筋肉の合成を目的に過剰にタンパク質を摂取しても体重1㎏あたり2.8gのタンパク質で筋肉の合成が止まるそうです。
ダイエット、ボディメイクのためにタンパク質を摂取するといっても体重1㎏あたり2.8g以上のタンパク質は必要ないでしょう。
タンパク質は3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)の中で最も不足しやすい栄養素です。
ダイエット中であってもしっかりと摂取しましょう。ダイエット中にあまり食欲を強く感じてしまう方には
鶏むね肉や牛モモ肉など噛み応えのある低脂肪高タンパク質食材がオススメですし、
タンパク質は必要ではあるもののそこまで肉や魚を食べられない方はプロテインドリンクで摂取した方が良いでしょう。